00237_富裕層の思考は、情報選別とSNSとの距離感に表れる

情報は「誰から」「どこで」もらうかで、すべてが決まる

世の中には、貧乏人が飛びつくメディアと、そうではないメディアがあるのはご存じでしょうか。

私は、これらを明確に線引きしています。

「どのメディアを使うか」――これは、ただの好みの問題ではありません。

情報をどこから得るか。
誰とつながるか。
何を信じるか。

それは、あなたの判断を決め、決断を左右し、運命を分けます。

その選び方ひとつで、金持ちになる人と、貧乏の沼から抜け出せない人との分かれ道ができる。

これは、私の長年の経験から得た、揺るぎない確信です。

SNSという“貧乏人専用メディア”

LINE、Instagram、X(旧Twitter)、TikTok、YouTube、Facebook、Pinterest、LinkedIn、WhatsApp、Snapchat。

巷にあふれるこれらの
「なんちゃって情報インフラ」
は、私に言わせれば、すべてB2Cの貧乏人専用メディアです。

私が言う
「貧乏人」
とは、カネがないだけではありません。

情報弱者であり、思考停止に陥りやすい人々のことを指します。

彼らは、無料のSNSに群がり、そこで得られる情報を
「真実」
だと信じて疑いません。

発言が軽く、すぐに感情的になり、簡単に
「いいね」
を押したり、安っぽい
「共感」
を求めたりする。

それこそが、貧乏人の思考様式であり、行動様式だと私は考えます。

無料のSNSで流れる情報は、玉石混交です。

ごくまれに有用な情報もありますが、その大半は個人の感情や偏見に基づいた意見、あるいは裏付けのない噂話ばかりです。

それらを真に受けることで、誤った判断を下したり、無駄な時間を使ったりすることになる。

それどころか、根も葉もないデマに踊らされ、見えない敵の罠にはまることさえあるかもしれません。

これは、成功を志す者にとって、致命的です。

つまり、貧乏人専用メディアは、庶民を相手にするためのメディアであって(B2C、つまり企業が一般消費者向けに使うもの)、資産を守り、増やし、未来を動かす側の人間が情報収集や発信に使うべきものではないのです。

なぜなら、それらは情報が表面的であり、信頼性に乏しいからです。

これが、私のメディアポリシーです。

そう言うと、
「失礼だ」
「極端だ」
と反発されるかもしれません。

実際には、私の観察範囲では、これらを真剣に使っている“リーダー格の人間”に、いまだ出会ったことがありません。

たとえ炎上マーケティングでのし上がったように見える者でも、舞台裏をのぞけば
「本当の情報源」
はそこではない。

世の中の重要なことは、本や新聞には絶対に載っていません。

真実や、ビジネスの核心を突くような情報は、活字にはならないのです。

活字になった時点で、それはすでに過去の情報であり、誰もが知り得る
「公共の情報」
にすぎません。

それでは、競争優位性は築けません。

むしろ、そういう“薄っぺらい場所”で勝負している人間は、たいてい、何かを誤魔化しながら生きているのです。

貧乏人と金持ちの決定的な違い

情報の入り口を軽く見る人は、たいてい、お金も軽く扱います。

たとえば、
「どうでもいいことに時間を使う人」
「誰からでも情報をもらってしまう人」
は、結局、自分の判断基準がなくなる。

結果として、
「誰かの判断に振り回される人生」
になってしまうのです。

一方で、
「誰とだけつながるか」
を決めている人は、情報の精度が圧倒的に高くなる。

だからこそ、判断に迷わない。
迷わないから、動きが速い。
そして、速く動いた人間が、資産を押さえる。

この循環を回せるかどうかが、貧乏と金持ちの分かれ道なのです。

情報を選別する「嗅覚」を磨く

富裕層は、自らが動いて情報を掴みにいきます。

足で稼ぎ、耳で聞き、目で見て、五感で感じ取る。

そして、その情報を自らのフィルターにかけて、真贋を見極める
「嗅覚」
を磨いているのです。

彼らは、表面的な情報に惑わされず、奥にある本質を見抜く目を養っています。

一方で、貧乏人は、流れてくる情報をただ受け取るだけです。

自分で情報を探しに行こうとせず、与えられたものだけを消費する。

そこに、情報の質に対する意識はありません。

まさに、情報弱者です。

それは、やがて思考の停止へとつながり、自らの人生を他人に委ねるような生き方を招いてしまうでしょう。

重要な話は「外」でされている

では、資産家や経営者、権限を持った者たちは、どこで重要な判断を下すために必要な情報を取っているのか。

何を信じて動いているのか。

それは、スマホの画面の中ではなく、直接の
「人」
の中にあります。

正直に言いましょう。

重要な情報は、本にも新聞にも載りません。

いや、
「載せられない」
のです。

なぜか。

本当に大事な情報というのは、名前も出せず、証拠も残さず、空気のように流通するものだからです。

裁判所の証拠にも残らず、警察も動かず、記者も追わない。

そのかわり、知っている者と知らない者とで、まったく違う行動がとれる。

そうした情報は、
「会食の席」
で、あるいは
「現場の空気感」
で伝わります。

もっと言えば、
「この人がこう言った」
という、信頼に裏打ちされた“人伝(ひとづて)”でしか手に入らない。

電話と会食こそが“王道”

私にとって、信用できる情報インフラとは何か。

たった2つしかありません。

それは、携帯電話を介した直接の会話、そして面談や会食です。

これら
「直接的なコミュニケーション」
こそが、真の情報を得るための手段であり、信頼関係を築くための基盤になります。

相手の表情、声のトーン、話し方、そして言葉の裏に隠された意図。

これらはすべて、画面越しでは読み取れない、生きた情報です。

机上の空論ではなく、現実の事象に即した生きた情報に触れることこそが、思考の深さを生み、未来を洞察する力を育むのです。

あとのメディアは全部“オモチャ”です。

どれだけネットが発展しようが、AIが進化しようが、最後の最後に
「決める」
「動く」
「任せる」
場面では、絶対にこの2つしか使いません。

たとえば、ある案件のキーマンが
「直接話したい」
と言ってきたら、私は全予定を飛ばしてでも会いに行きます。

逆に、メッセージアプリやチャットツールでしか話せないような相手とは、基本、何もしません。

たとえ時代遅れと言われようが、
「人と人の間に漂う情報」
の強さに勝るものはない。

それが、私の信念であり、戦ってきた実務家としての結論です。

情報戦を勝ち抜くために

もし、あなたがこれから起業しようとしているなら、あるいは経営者として決断の重みと戦っているなら、

いちばん先にやるべきことは、
「どのメディアと距離を取るか」
を決めることです。

どこで情報を得て、どこで判断材料を受け取り、どこに“本当の答え”を探すのか。

その入り口を間違えた瞬間、すべてがズレはじめます。

情報は、命です。

情報は、資産です。

情報の選び方で、あなたの未来は決まります。

あなたは、どちらの側に立ちたいですか。

著:畑中鐵丸