00199_決裁の流儀:決裁権者に意思決定を求めるための4ステップ

決裁権者に意思決定を求める際には、状況説明から始まり、選択肢の提案、プロコン分析、そして腹案の提案へと進む4ステップが基本となります。

相手の立場を想像し、相手に合わせたアプローチを心がけることが、大切です。

1 状況説明

まず、どのような問題が発生しているのか、またはどのような課題に対応しようとしているのかを、客観的かつ慎重に示すことが重要です。

この部分があやふやでは、後のプロセスが滞ってしまいます。

2 選択肢を抽出する

次に、複数の選択肢を抽出し、提案する段階に入ります。

1つの選択肢だけを持って
「これでどうですか?」
と問うのは避けるべきです。

重要なのは、複数の案を考え、検討材料を広げることです。

選択肢を提案する際には、それぞれが現実的であることを意識しましょう。

3 長・短所を比較する(プロコン分析)

選択肢について、長所と短所を比較します。

このプロセスにより、決裁権者は
「なぜその選択肢が有効なのか」
を論理的に理解することができます。

プロコン分析は、ただ羅列するだけではなく、状況に応じて優先順位をつけたり、コストやリスクの度合いを具体的に示すことが効果的です。

4 腹案を提示する

最後に、自分なりに考え抜いた
「腹案」
を1つ用意します。

腹案とは、上記の1~3のステップを踏まえて
「現状では最も適切だと考えられる案」
のことです。

ここで重要なのは、提案した選択肢を考慮した上で、
「その中からこれが良い」
という明確な意思を示すことです。

これにより、決裁権者は提案内容をより信頼することができます。

逆に、決裁権者に全てを丸投げしてしまうと、信頼関係を損ねる可能性があります。

ポイント:柔軟な決裁方法を意識する

決裁を求める方法(メール・口頭・電話)は、特定の形式に定める必要はありません。

重要なのは、決裁権者の考え方や状況(TPO)を見極めることです。

・忙しい決裁権者にはメールで要点を伝える
・対面での意思疎通が必要な場合には口頭で直接説明する

このように、相手に応じて
「最適な手段」
を選びましょう。

著:畑中鐵丸